【笑い死に】しそうになった!あのトキとあのトキ
「笑い死に」
みなさんは笑って死にそうになった経験はあるだろうか?
ワタシはいろいろあるがインパクト強めなのが過去2回ある
どちらも笑ってはいけない状況のときだった「笑い死に」よりも「こらえ死に」のほうが当てはまる
1回目はワタシが高校生のころ姉と行った「本屋」だ
むかしの本屋は今と違って店員に監視され ものすごい静かで会話すら許されないような静けさだった なので小学生の頃なんざ少しうるさいだけで「静かにしてねー!」と本屋に怒られたものだ
ワタシたちがいつも行っていたこじんまりとした本屋のおじさんは物静かでやさしかったが 本屋は静かにするところという常識を植え付けられていたため べらべら会話はおろか笑うなんてもってのほかである!
ある日 姉と行った本屋で宝島社が出版している「VOW」という本をお互い手に取った
「VOW」は街のへんな看板 新聞やチラシの誤植 スーパーの価格表の誤字などを見つけ一般人が写真投稿する本だ
自宅にも何冊かありきょうだいみな笑って読んでいたが 静粛な本屋で読むVOWは笑えない状況がさらに笑いを助長するので格別だ
姉とは昔からダウンタウンの笑ってはいけないシリーズのように お互いが刺客となり 絶対的に笑ってはダメな場面で笑わせようとお互いを陥れることが多々あった
お互いコレは笑うだろう!という写真を無言で見せ合い 笑いをこらえる
相手を笑わせるために自分が自爆することもある危険な行為だ
その日はお互い笑いのツボにヒットしたのか 「クスクス」と軽い笑いから始まり段々に見せ合えば見せ合うほど笑いが強くなり VOWじゃなくても何を見ても笑いに発展してしまった
声を出して笑えないので腹筋とのどが絞まりそうなくらいスゴイ苦しくなり本屋をでた
「ダメだ!死ぬー!!(笑)(笑)(笑)」
と上半身起こせないほど外で笑ったのだ
2回目は いっしょに暮らしていたじいちゃんの葬儀のときだ
一緒に暮らす家族がはじめて亡くなり 大好きなじいちゃんだったので みんな泣いて泣いてじいちゃんとのお別れを惜しんだ
ワタシの地元の葬儀はお寺でとり行われ当日たくさんの参列者がきてくださった
真ん中の和尚さんを挟んで「遺族」と「一般」が向かい合うように席がセッティングされていてワタシたちは「遺族」の前列に座らされた
となりに姉がいるし ななめ後ろにはばあちゃんの妹さっちゃんが座った時点でイヤな予感はしていた
ばあちゃんとさっちゃんは仲が良くお互い耳の聞こえが悪いため さっちゃんが遊びにきては日向ぼっこしながらふたりはまったくかみ合わない会話をしていたのである
さっちゃんは志村けんが演じるおばあさんのように声が震えフガフガ声が漏れている それがななめ後ろから聞こえてくるだけでニヤける程度の笑いがおきていた
姉も「今日にかぎって笑いませんように」と祈っていただろう
その祈りむなしく「こらえ死に」しそうになったのだ
それは巧妙な手口でもなんでもなく お経が響くなかさっちゃんに誰か小さな声で話しかけ 耳の遠いさっちゃんが大きな声で的外れな返事をしたのだ
その瞬間 姉とお互いクスっと笑いをこらえ お互いが心の中で「ちょっと!さっちゃんがヤバイ!」と思い 会話ができないので手で相手の太ももをビシっとたたき合いそれをくり返していくあいだにヤバいくらいの笑いに発展した
こらえきれくなり まわりの人に笑っていることを悟られないように ふたりは顔全体を手でおおって大きく肩をゆらして笑っていた
葬儀が終わりワタシと姉は「えめたんとお姉ちゃんあんなに泣いて じいちゃんも幸せだねぇ~」といろいろな人にいわれた
いやー!ほんっとに!苦しかったのをおぼえている
不謹慎で死んだじいちゃんに悪いが 笑いで みんなに感動をもたらしたのである
「笑い」はその場所にいないと伝わりにくいのが残念なところだ
ありがとうございました